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アメリカ在住の日本人がいろいろ書き散らす

花粉症は治せるのか? Immunotherapy(免疫療法)の経過メモ(2)

前回に続き、ひたすら季節性アレルギーの話の続きです。
前回↓
blog.writedreamlive.info

気になるお値段

 どの病院でもそうだけど、初診の際に延々と問診表(過去の病歴とか)を書かされるあの苦痛の時間がアレルギークリニックでももちろんある。しかし、「手書きとタブレット入力のどちらにしますか」という受付嬢のオファーに今どきを感じた。
「タブレットで! 私のスゴイ手書きをあなたに解読させちゃかわいそうだから!」
と言ったら、ニコリともしない冷たい感じのロシア系受付嬢が笑顔になってくれた。嬉しい。
 そして毎回こういう問診票記入時に思う・・・。
「ドラッグやってますか? やっている人はどれくらいの頻度ですか?」
この質問には、やってる皆さんはやはり正直に答えるんだろうか。治療に影響するから正直に答えたほうがいいと思うけど。Yesと書いたらどうなるのかが知りたい。入国時の書類の「あなたはスパイですか」という質問と同じく。
 問診表が終わった頃に看護婦さん登場。今日の来訪の目的やらアレルギーの症状やら再確認があって、若干やりづらそうに料金表を差し出してくれた。
「あなたの保険だと、だいたいこのくらいが自腹(out-of-pocket)になりそうなんですけど・・・チラッ(←払えますか?というような目線をこちらに向けている)」
 こういうの、助かる。前回の記事の終わりに書いたようなびっくり請求を経験している私は、十万近くかかるかもと身構えていた。でも、テスト自体は100ドルちょっと(一万円強)くらい。拍子抜けした。もちろんその他に先生の診察代や免疫治療の注射代なんかもかかるから、全部合わせると数万円の出費になるけれど、これでアレルギーが治るのなら・・・いや、症状が軽減するだけでもいい、それでも出す。
 それにしても、アレルギーテストが安過ぎる。娘のインフルエンザと溶連菌感染症のテストはこれよりとられたぞ。あれはUrgent Careという準・救急病院みたいなところでやったからか? 
 桁が間違えてるんじゃないかと紙を見ながら悩んでいる私の逡巡を「お金が無い人」ととったのか看護婦さんがあたふたしている。
「本当に検査ってこれだけですか? 採取した血液をラボに送るような検査はいつも数百ドル(うん万円)とられるから意外で・・・」
と聞くと、
「もう一回確認するわネ、あなたの場合は合計64プリックだから・・・やっぱりその金額よ」
とニコニコしていらっしゃる。待って待って、プリック・・・prick・・・刺すってこと・・・?
「ろ、六十四回も血をとるんですかっ!?」
と目を見開いて尋ねると、
「オウ、ノーノー、血液はとらないわよ」
と、今日やる検査がいわゆる「Skin Prick Test」であるという説明が。勝手にたくさん血をとられると思って、しっかり朝ごはん食べて来た私はバカっぽい。
 なんでも、いろんな種類のアレルゲンを先につけた針を皮膚に刺して判定するそうで、ラボに検体がいくような試験ではなかった。それで良心的なお値段だったというわけか。
 ちなみに、アメリカの医療費請求ははっきり言って「請求書が来るまで誰にもわからない」。こんな感じ。

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アメリカの診療費請求 心臓に悪い

 Wordのアイコンで作ったんで、カッコ悪い説明図ですみません。でもほんとこんな感じで、忘れた頃にすごい請求書が来たりする。今回はそうじゃないといいけど。

テストを受ける

 テストの前に、アレルギークリニックの私を担当してくれるお医者さんと対面。アジア系の男性医師でなんだか嬉しい。アジア系、特にインド系のお医者さんがどんどん増えているなあと感じる。ちなみにヒスパニック系、アフリカンアメリカン系のお医者様にはめったに会わない。地域柄もあるのだろうけど、医療業界はアジア系人種が特に参入しやすい世界なのかも。
 しかし、このN先生、お話になる英語が・・・英語がよくわからない・・・。ベトナム系の方のようで、英語にアクセントがあるということは、生まれた時からではなく途中からアメリカに来たんだな。よくぞここまで成功された。移民として大変なこともあったろう。ご両親も誇りに思っておられるだろうな。などと一気に尊敬の念は湧くものの・・・英語がわからない・・・わかりづらい・・・。インド系の方の英語も辛いけど、ベトナム系の方のアクセントも強い。でも、故ルース・ベイダー・ギンズバーグさんのお顔がプリントされたマスクがキュート。
 とかどうでもいいことに気をとたれ、70%くらいしか話が理解できない段階であれよあれよという間にN先生が部屋を去り、看護婦さんが戻ってきてテストが始まった。
 上半身裸でうつぶせになり、髪が首から下に行かないようにしっかり手で束ねて押さえろと言われ、背中から腰にかけて一面に次々と8本脚の針がついたものをハンコのようにぐりぐりと押し付けられる。針の先にアレルゲンの入ったオイルが付いているから、それがたれないようにじっとしていろとのこと。痛みはそれほどでもない。でも、子供ならギャーギャー言うだろうな。
 15分、診察室に一人残されうつぶせになって待つ。寒い。そして、15分の終わりくらいから背中がムズムズとかゆくなってくる。か・ゆ・いーーーー!!

 痛いのも辛いけど、かゆいのもつらっすよね・・・

次回に続く・・・