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アメリカ在住の日本人がいろいろ書き散らす

なおみちゃんは悪くない! なおみちゃん支持! テニスの敗者インタビュー、要らん

「ナオミがかわいそう。ハグしてあげられたらって思う。彼女の気持ちがわかるから。この件はもう、彼女のやりたいように、本人がベストだと思うやり方で対処させてあげるべき。」

“I feel for Naomi.
I feel like I wish I could give her a hug because I know what it’s like.
You just have to let her handle it the way she wants to, in the best way she thinks she can.”

上記は、大坂なおみさんのテニスの全仏オープンの試合後会見拒否、トーナメント辞退騒動に対するセリーナ・ウィリアムス姐さんのお言葉です。

いやあ、もう・・・・・・さすが!! 
四大大会23回優勝の女は違う!! 
さすが大ボス、まさに女王です!!

そうですよね、セリーナさん!? そう思いますよね!?

なおみちゃんが日本国籍選択した時は、「ありがとう」とか言ってたくせに、ブラック・ライブズ・マター絡みで出場辞退したり、こうやって今回みたいな騒動起こしたり、ちょっと「出る杭」になった途端、「わがまま」とか「そういう契約でしょ」とか「真央ちゃんだって頑張ったのに」とか手のひら返ししてる奴ら!! 

試合後会見は大変なんだぞ~!!

やったこと無いけど!!

テニスをプレイすらせず観戦するだけの私でも、あの試合後会見、特に敗者にまで会見を義務付けるのって必要かなあと常々思っていました。観ていて辛すぎる会見が多過ぎる。勝った人はまあいい、でも、敗者はいいでしょ敗者は。勝者へのインタビューだってプロ野球のヒーローインタビューとかみたいな雰囲気じゃないし。なんか集中砲火っていうか・・・。

テニスの敗者インタビューが私はだいっきらいです!! 観たくない!!

特にあの4大大会の決勝の後。

負けた選手に、インタビューに加えて、表彰式でスピーチさせるあの無神経さ!! インタビュアーだって辛いと思うんだけど。あれってほかのスポーツでもやるんですか? 

全てを賭けて追って来た夢が破れて、もうきっと決勝まで来られるチャンスも無いのかもしれないという失意の瞬間に、「今どんなお気持ちですか」と聞かれて、優勝した相手を称えなければいけない辛さ。表彰式に出るだけでも辛いんだから、もう勘弁してやれ、といつも画面から目を逸らしてしまう。

2009年のウィンブルドンでフェデラーに負けたロディック。もうこれを逃したら次は無いなという決勝で負けた時のインタビュー。目が死んでいる。観ていて辛いだけだった。なんかメディアにとってはこれも美しい感動の瞬間なのかもしれないけれど、あまりにも本人の気持ちを無視しているというか・・・。

https://youtu.be/Dn7dQJJ0AR4

2012年のこれまたウィンブルドンで、開催国の期待とプレッシャーを一心に背負ってフェデラー(またかい)に負けたアンディ・マレーのスピーチもつらかったっすね。マイクを持って、「(このスピーチを)頑張ってやってみるけど、やっぱこれキツイね・・・」と泣き出してしまって・・・あんな姿を見る家族もかわいそうでした。

https://youtu.be/WzCB4YQXPeM

負けて泣いてる人にインタビューとかスピーチとかやらせて、全世界に放映して・・・いくらスタンディング・オベーションでその姿を称えても、なんか敗者の悔しさ悲しさを搾取しているだけというか・・・。 (敗戦インタビューの動画のリンクを貼っている私もその一味か)

まあ、一般人って彼らほど何か一心に頑張って夢破れて、っていうそういう経験も無いからその姿もまたエンターテイメントなのかな。でも、それって、そんな形で娯楽にされ続けることが、長期的に観てテニスというスポーツの発展に繋がったり、選手を強くしたりということにつながる気がしないんだけど。

いつもいつも「もう勘弁してあげて」と思うだけ。

身内を亡くしたばかりの人に、「ねえ、悲しい? どういう気持ち? なんで死んじゃったんだと思う?」って聞いてるみたい。スポーツの敗戦と人間の死を一緒にすんなって言われそうだけど、試合直後はもうズタズタで魂が死んじゃってる選手だっているんじゃないの?

敗者も会見しないとダメ、とかってほかのスポーツでもやりますかね?
野球で敗戦投手インタビューとかありましたっけ。監督はいちいち勝っても負けてもコメントしていたように思うけど。

テニス特有の伝統なのかな。「テニスを紳士淑女のスポーツ」にするために、負けても相手を称えるコメントをせよ⇒どんな精神状態でも毅然とメディア対応せよ、みたいな伝統・・・?

なんか・・・テニス選手って冷遇されているなあと思う。

一年中、世界中をドサ周りみたいに試合して歩いて、休みは一か月くらいしか無い。たくさん出ないとその後が不利になる仕組みになっている。チームにうじゃうじゃ替えがいて、年間17試合とかしないのにじゃんじゃん稼いでるNFLとは大違い。
一人でそうやって頑張って試合してんのに、試合後の会見拒否したら罰金、とか、もうなんか・・・選手の組合かなんかが弱いの? 圧倒的にプロテニスの連盟とか大会主催者が選手をこき使っていて、リスペクトが感じられないというか・・・。

なんか、体質が古い。

なおみちゃんはそういう体質にうんざりしていたんじゃないかな。

「罰金」っていうのがね、もう、バケツ持って廊下に立ってるカツオ君レベル。だいたい、連盟とか大会とかが、なんか選手たちにテニス界発展のためにやってもらいたいことあったら、「やらなきゃ罰」みたいなやり方じゃダメなんだって。自閉症療育でも言われてるよ? 罰で人の行動変えるのは長い目で見るとマイナス、つまり「○○をやらないと悪いことがあるぞ」ではその○○という行動は強化されず(されても一時的)、最終的に○○がイヤになってしまう。が、「○○をやったらいいことあるぞ!」を叩き込めば、その○○という行動が身に着く。

ここは思い切って、
「試合後会見を行った選手は賞金10%増し。敗者インタビューは特にやるのがキツイので、負けの悔しさを癒す高級マッサージ無料チケット、やけ酒用高級ワイン、帰路の飛行機代割引クーポン等が詰め合わせのギフトバッグもプレゼント!!」
くらいやったら?? 立ち直りの早い選手とか、メディア対応が得意な選手とかは、インタビューで稼ごうと思って頑張るかもよ? で、メンタルに自信の無いなおみちゃんみたいな子は、拒否に次ぐ拒否・・・。
「オーサカ、またもや会見拒否! 次戦にビビッているのか!?」
とか、そういう憶測もまた楽し。

選手それぞれが好きに選択できるようにしたら、もっとインタビュー全体の雰囲気も良くなるかも?

今は、SNS使って発信したり、ファンサービスもいろんな形があるんだし、「勝っても負けてもメディア対応しろ。しなきゃ罰金。ナオミ、もうお前は四大大会出られないぞ」
みたいなこと言ってると、どんどんテニスが衰退しそう。

今までどの選手だって頑張って来たんだ!とか言ってる人もいるけど、そんなこと言ったら何も変わんないって。

「お母さんたちの時代はねえ、子供3人も4人も産んで、父親は午前様でも文句言わないで家庭を守ったものよ!」
「昔の男たちは黙って戦に行ったんだぞ!」
「中世の娘さんたちは貞操守るために鉄のパンツはいてたのよ!」

↑↑↑上記が「今まで頑張って来た人たちだっているんだから」で続いていたら大変。

いつも「出る杭」が何かを変えるし、やっぱ「出る杭」は打たれるんだよね。

なおみちゃんはかっこいいよ。

セリーナだって、なおみちゃんだか若い子だかに負けた時、「ごめんなさい、今は話せる状態じゃない」って会見拒否して罰金とられていたことがあった。

なおみちゃんだって、毎試合そうすればよかったのかもしれないけど、最初からそのつもりならきちんと先に言おうと思ったのかな。彼女なりに筋を通して、何かを変えようとしたのかもしれない。

うつ病に苦しんでいてしばらくコートを離れたい、という発表、とても心配だけど、まだなおみちゃんは23歳。女子のピークは早いけど、なおみちゃんなら回復して戻ってくれるはず。

なおみちゃんは、コート上でもコート外でも至宝。

応援してるぞー!!!