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アメリカ在住の日本人がいろいろ書き散らす

ロングアイランド連続殺人犯逮捕 アメリカの警察がいろんな意味ですごい 

 2023年の7月第三週の週末は、とにかくメディア総出で「バーベンハイマー!バーベンハイマー!!」(映画『バービー』+『オッペンハイマー』)状態で、衰退中の映画館ビジネスが再生のためにこの週末にすべてを賭けている感じがすごかった。ひたすら自閉症児のお世話の私は、祭りに参加することもできず、捜査官らしく、大ニュースとなった長らく未解決だった連続殺人事件の犯人逮捕の続報をひたすら追ったのだった・・・いやあ、楽しかったよ。バーベンハイマー無くても平気さ!

ロングアイランド連続殺人事件とは

 ニューヨークのマンハッタン、超高層ビル群が立ち並ぶザ・都会なエリアから少し離れたところに、ロングアイランドという島がくっついている。島と言っても、奈良県と同じくらいの広さで、富裕層の別荘地から畑から湿地帯からビーチまでまあなんでもありな感じだけど、マンハッタンのベッドタウンみたいな住宅地がたくさんあるところ。日本で言うと千葉県みたいなイメージ? ちょっと違うか。
 まあ、とにかくそのロングアイランドで、2010年にシャノン・ギルバートさんという24歳の女の子が110番通報で助けを求めたあと、ぷっつりと消息を絶つ。実に謎めいた失踪だけど、シャノンさんはもう未成年ではないし、失踪時は男性に性的なサービスを提供するお仕事をしていて、まさにそのお仕事中にお客さんのおうちで錯乱していなくなった感じ。警察はあんまり真剣に探す気が無い。しかし家族の必死に訴えもあり、捜索は細々と続けられた。そしてある日、訓練を兼ねて連れて行った警察犬がロングアイランドのギルゴ・ビーチと呼ばれるエリアでついに遺体を発見する・・・なんと4体も! もはや骨だけになっていて誰だかわからない。DNA鑑定の結果、それはシャノンさんの遺体ではなく、ニューヨークで消息不明になっていたまったく別の女性たちの遺体と判明した。その四名(『ファンタスティック・フォー』みたいに『ギルゴ・フォー』と呼ばれている)、彼女たちには共通点があった。全員すごく小柄で細い。髪の色や目の色も同じ、そして、全員がシャノンさんと同じく男性に性的サービスを提供するお仕事をしていて、ピンプ(日本語で言うとなんだろう・・・ポン引き?)を通さず、クレイグリストを使って直接客をとっていた・・・。
 警察による付近の捜索は続き、その後も次々と死体が発見され、その数なんと合計11体!! 中には、女装したアジア系男性や幼児も含まれ、今も身元がわからない死体もある。ギルゴ・フォーと同じ人物による犯行なのかすらわからない。最初探していたシャロンさんとギルゴ・フォーの殺害との関係もわからない。もう何がなんだかわからない。警察は捜査本部を設けて捜査にあたったが、10年以上未解決のままだった・・・2023年7月までは。

 というのが、ざっくりとした経緯です。この事件に関しては、おびただしい数のポッドキャストやらウェブサイトやらがあり、永らく未解決事件の推理が大好きなネット探偵たちの関心の的だった。こんなドキュメンタリーもあるみたいです。

『キリング・シーズン ロングアイランドの連続殺人鬼』
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08VFZ5J5J/ref=atv_dp_share_cu_rwww.amazon.co.jp

 が、私は『統合失調症の一族 遺伝か、環境か(原題:Hidden Valley Road)』がベストセラーになったジャーナリスト、ロバート・コルカーの出世作である『Lost Girls(未邦訳)』をおすすめします。名前と年齢、そして「売春婦」としかメディアに紹介されないギルゴ・フォー+シャノンさんたちの短い一生を追った力作です。事件まで彼女たちはどう生きたか、そして事件によって遺された家族の人生がいかに破壊されたか、苦しんだか。犯人探しではなく、被害者側に寄り添った内容になっているし、アメリカの高級住宅地のゆがんだ狭い人間関係みたいなのにも迫っています。邦訳が出るといいんですけど、この本を基にした映画がネットフリックスにあるので、興味のある方はそちらを是非。

『ロストガールズ』 | Netflix (ネットフリックス)
youtu.be

2023年についに犯人逮捕

 先日、警察がこの連続殺人事件の犯人を逮捕したという大ニュースが流れてから、犯人の自宅が観光名所になったり、犯人の知人による「やっぱりね~ずっとあの人は怪しいと思ってたんですよ~」といういかにも後付けなコメントが次々にニュースになったり、続報が多さに皆さんの衝撃と関心の高さがうかがえるんだけど、警察がおおやけに向けて発表した「Bail Document」と呼ばれる文書がすごい。これ、日本にもあるんですか? 
 この文書は、警察がニューヨーク州民に向けて、「我々はこれらの証拠をもってこの人物を事件の犯人と断定した、そしてこの人物は非常に危険であるから保釈はできない」と、保釈無しで身柄を拘束する根拠と正当性を説明するためのもので、大手メディアによると「異例の丁寧さで書かれている」そうで・・・。おもしろくて思わず32ページ全部読んでしまった。確かに、携帯電話のアンテナの位置関係とか、誰にでもわかるようにGoogleマップに解説入りで載せてあったり、警察の仕事ぶりの一端が明かされていてすごい。記者会見では、「今後の捜査のために詳細な捜査テクニックは明かせません」とか言っていたけど、かなり詳細だよね・・・?

1) 使い捨て携帯の基地局から犯行の場所を割り出す

 まず行われたのが、被害者と犯人の間の電話通信の解析。犯人はもちろん、足がつかない使い捨て携帯を現金で購入して、それを被害者との通信に使っている。しかも、犯行ごとに違う使い捨て携帯を使ったり、かなり用心深い。用心深いんだけど、その使い捨て携帯を使ってなんらかの交信をした瞬間、基地局に繋がるわけで、「誰が使ったか」はわからなくても「どこで使ったか」「いつ使ったか」がわかってしまう。被害者側の電話番号は捜査する側はもちろんわかっているわけで、その電話の通信記録から犯人の使い捨て携帯を特定、その後、その使い捨て携帯がどの基地局がカバーするエリアで使われたか、それを通話ごとに割り出していく。この解析はFBI担当だそうです。犯人は複数の使い捨て電話で性的サービスを受けるために被害者たちと数回通信しており、しかも被害者の一人に15歳の妹がいることを知って、被害者を殺害後、その被害者のスマホで妹さんに7回も「ねえねえ姉さんがどういう仕事してたか知ってる?」「君も売春婦なのー?」「姉さんの死体が腐ってくの見てるんだよー」などという鬼畜な嫌がらせ電話をかけていた。余計なことはするもんじゃない。それらすべての通話が基地局解析のソースとなり、警察は地図上に「ポリゴン」「ボックス」と呼ばれる通話者の位置を絞り込む図形を作成していくことになる。
 そして、警察は、「犯人は日中はマンハッタンのミッドタウンから、夜間はロングアイランドのマサピークアからかけている」、つまり、マンハッタンに通勤していて、マサピークアにある住宅地に住んでいる男、ここまで突き止めた。しかもこれでマサピークアの数百件の住宅まで絞り込めたという。日本で言うと、「都心に通勤する千葉県松戸市●●町在住と推定される人物」、こんな感じ? 犯罪に関係する通話は、自宅からじゃなくて東京駅の真ん中みたいなとこからするようにしなくちゃ。

2) 目撃証言から車の登録をチェック

 そして、警察は同時にギルゴ・フォーのうちの一人が失踪直前に会うことになっていたと思われる人物を前日に目撃した被害者のボーイフレンドの証言に注目。その男は、比較的珍しいもう生産されていない車に乗っていたという。その車種、第一世代のシボレーアバランチを州の車両登録データベースで探したところ、あらびっくり、持ち主の一人がFBIが1)で作成したボックスの中に住んでいるではないか!! その男の名は、レックス・ヒューアーマン。59歳、結婚していて、子供が二人、建築家でマンハッタンのミッドタウンの自分の建築事務所がある。

容疑者が出会い系サイト上のお相手に送っていた自撮り写真

ここから、警察はこの男に捜査の焦点をしぼり、徐々に証拠を固めていく。犯罪には珍しい車を使っちゃダメだね。これがホンダのアコード(長いことアメリカでベストセラーだそうです)だったらここまで早く絞れなかったはず・・・。

3) 容疑者の妻の海外渡航記録のチェック、国内旅行の時期のチェック

 容疑者の妻は犯行の間、何をしていたのか? 警察は、妻の海外渡航記録を入手。これは入管を通ってすべて記録されているわけで、すぐにわかる。すると、妻がアイスランドに渡航していた時期が、ギルゴ・フォーの中の一人の失踪の日とぴたりと重なったではないか! 警察は更に、妻が契約している携帯電話の請求記録から彼女の国内旅行の時期も割り出す。やはり、妻がニューヨークを離れている時期と二人の被害者の失踪の日は一致していた。これは偶然としてはありえない。警察が現在立件している3件の殺人のすべてが、妻の不在の日に容疑者ヒューアーマンによって行われた犯行と考えて間違いなかろう。

4)容疑者の携帯電話、被害者の携帯電話、使い捨て携帯が一緒に移動している

 容疑者特定により、使い捨て携帯ではなく、こやつが正式に仕事や家族との連絡に使っている電話の番号が特定できる。そして令状により、その通信記録も手に入る。被害者の失踪日の携帯電話の通信情報の解析と比較すると、ある時点からこの二つの携帯電話は一緒に移動していることがわかる。そして、ヒューアーマンのスマホが使っている基地局と使い捨て携帯の基地局のエリアがかぶっている。使い捨て携帯とヒューアーマンのスマホは同じ時間に同じエリアで使われていた、すなわち使い捨て携帯の持ち主はヒューアーマンと結論づけられる。携帯電話の追跡技術、すごいっすね。ヒューアーマン・・・家に自分のスマホ置いて、使い捨て携帯だけもってでかけりゃよかったのに。

5) 容疑者のクレジットカードの明細 → 出会い系アプリのアカウント割り出し

 警察は更に、捜査令状により容疑者のアメックスのカード明細を入手。Google Payによって、繰り返し出会い系サイトTinderに頻繁に支払いが行われているではないか。そこから、Tinderに登録されている電話番号(新たな使い捨て携帯)、彼のメールアカウントを入手。偽名と使い捨て携帯で、クレイグリストではなく今度はティンダーで懲りずに性的なサービスを利用しまくっている容疑者・・・もちろん、どこでその電話を使ったかは、基地局からバレバレであり、それはやはり彼の自宅とマンハッタンの彼の職場の周辺だった。まるで、10年以上前の犯行時とそのまま同じ。警察が「こいつを止めなければ」と震えあがったのは想像に難くない。

6)使い捨てのメールアカウントから容疑者のGoogle検索が・・・

 前項で書いた通り、カード明細→ティンダーのアカウント→そのアカウントが使っている使い捨て携帯が明らかになり、警察はさらにその使い捨て携帯上で容疑者が使っていたいわゆる「捨てアカ」扱いのGmailアカウントを新たに発見。ここで世にも恐ろしい「グーグル捜査令状(Google warrant)」発動! つまり、「Googleさん、この捨てアカが何を検索していたかを警察に提出しなさい」というやつで・・・。これやられるなら死んだ方がマシ、という人も多いのでは。この容疑者の検索が、もうね・・・ひどい。NYタイムズ紙とか大手のメディアも検閲をかけて公開している。容疑者は、この捨てアカで、数千の児童ポルノやサディスティックな拷問ポルノ、性的なサービスを検索していたとのこと。こいつがいかに異常で危険かを示すために、検索ワードの例が30個、以下のように全世界に公開されてしまっています。こんな感じで・・・。

容疑者のGoogle検索ワードの例 気持ち悪い検索ばかりなので一部ぼかした

 悪いことはできません、本当に。警察、容赦なくあなたの恥ずかしい検索履歴を世界に公開しますよ。こやつの恥知らずの鬼畜ぶりに吐き気がします。もう病気だよね。そういうことが検索履歴から一発でわかってしまう。Googleは本当に個人個人の全人生や内面や欲望を知り過ぎている! プーチンに「おまえの検索履歴を公開してやる」って脅して、停戦に持ち込む、とかできるんじゃないか。
 四人の被害者たちが全員、すごく小柄で細かったというのは「犯人が自分のパワーを示すため、犯行後の遺棄を簡単にするため」とか分析している専門家がいたけれど、検索ワードからこいつは単に10歳くらいの女の子が大好きで特にそういう子が苦痛で泣いているところが見たいという正真正銘の変態で、その欲望を小柄な成人女性で満たそうとしたとしか思えない。そういや、検索ワードに「hentai」というのが入っていたな。ramen とか tofu みたいに英語になっていたとは・・・。

5) 事件への異常な関心

 警察のGoogle令状を使った追及はここでは終わらない。警察は、こいつが例の捨てアカで異常な回数、被害者の画像を繰り返し検索したり、捜査の進展を調べていたことを指摘。何が恐ろしいって画像や情報の検索が、被害者の家族やら親類やらまで及んでいたことです。一体、なんのために・・・? 事件の記憶をたどりたかったのか? それとも何か恐ろしいことを計画していたのか。
 2022年に捜査チームが新たに結成されてからは、非常に不安だったらしく、「why could law enforcement not trace the calls made by the long island serial killer(なぜ警察はロングアイランド連続殺人犯の通話を追跡できなかったのか?)」という非常に具体的な検索ワードまで入力している。いつかはばれるだろう、こんなに長い間ばれないなんておかしい、と本人も怖かったのでしょう。
 同時に、「アメリカの5大未解決連続殺人事件」とか「現在も活動中の連続殺人犯」みたいなワードも入力していて、自分の事件が有名なのが嬉しいかのような、自分のやったことが騒がれていることで自尊心が満たされているかのような痕跡もある。警察が保釈などもってのほか、と訴えるのもわかる。

6)DNAの証拠

 しかし、これまでの捜査では状況証拠しかない。「すべて偶然です、クレジットカードは盗まれてほかの人に使われた」などと言い逃れもできるかもしれない。物的証拠が欲しい。
 そこで被害者3人の遺体に残されていた被害者以外の体毛のDNA分析が行われた。まず女性の体毛であることが判明。被害者以外の女性の体毛・・・ということは・・・? 捜査チームは、レックス・ヒューアーマン宅が出したゴミをあさって空のペットボトル11本を回収、そこからDNAのサンプルを入手。ラボで解析が行われ、ご遺体から回収した体毛とペットボトルから検出された唾液のDNAが99.69%以上の確率で合致、これは容疑者の妻のDNAであると推測された。妻が犯行に関与したのかという憶測も呼んだけど、犯行時、妻は不在であったはず。どういうわけか、容疑者の妻の体毛が死体遺棄の際に使ったテープか運搬に使った車か何かにくっついて被害者のご遺体に残ったらしい。
 これはもうレックス・ヒューアーマンが犯人で確定でよいではないかと思うのですが、警察はまだまだ頑張る。ご遺体のひとつに、男性DNAの体毛がもう一本残っていたではないか。これを解析するしかない。事件当時の技術では、「ヨーロッパ系の白人の特性を持つDNA」ということまでしかわからなかったのだけど、DNA分析はこの10年の間で新たな技術革新があったらしい。それを使って、なんとかこの体毛とレックス・ヒューアーマンの関連を証明できないものか? 警察はチャンスを待ちます。
 レックス・ヒューアーマンの名が捜査線上に浮上してからは、警察の監視チームが常時ヒューアーマンに付いていたらしいんだけど、ある日監視チームの一人がマンハッタンの建物の入り口の監視カメラで、ヒューアーマンが食べ終わったピザの箱をゴミ箱に捨てるところを確認! 別のチームメンバーがゴミ箱に急行して、ピザボックスを回収、そして警察の鑑識のラボに回したとのこと。ハイテクなのかローテクなのか、よくわからないけど警察、すごい。

保釈反対リポートで大反響だったピザボックス

 そして、食べかけのピザから採取したサンプルとご遺体にあった体毛のDNAが99.96%の確率で一致、ここで警察は「逮捕に踏み切ってよし」となったようです。

事件が10年以上未解決だった理由

 警察の記者会見は非常にエモーショナルな感じで、捜査本部のトップが、
「昨年、遺族の方々にお会いしてお話しさせていただき、ギルゴ・ビーチの殺人事件を優先順位のトップに持ってきて解決にあたるとお約束しました。そして特別捜査本部を新たに結成し、郡警察、州警察、ニューヨーク市警、FBIで協力してやってきました。皆さんの仕事ぶりに感謝し、誇りに思います。被害者の方々は帰ってくることはありません。しかし、今回の逮捕が遺族の方にとってせめてもの慰めとなり区切り(closure)となることを願います。」
みたいなトーンで感極まっていて、私も「警察、よくやった!」と思ったんだけど・・・だけど・・・

この10年間、何してたの?

 これ、いろんな人がつっこんでるとこです。だって、容疑者特定のきっかけになった1)と2)に新捜査本部がたどり着くまでにたったの6週間だったというではないですか。車の目撃証言は10年前からファイルにあったわけだし、ご遺体が発見された当時、10年前でも逮捕できたんじゃない? と思うわけです。
 そこで、当時の捜査本部のことを掘り返すと・・・その当時に捜査を率いていた自治体の警察署長がまたすごい。なんかドラマに出てくる典型的なダーティー・コップみたいな感じ。この方、ギルゴ・ビーチ周辺で死体がどんどん発見されて一番捜査を頑張らなくちゃいけない時期に、乗っていた警察支給のSUVが運悪く車強盗にあってしまったのですよ。そして、強盗に後部座席のダッフルバッグを盗られたのですが、そこには銃器のほか、オトナのおもちゃとポルノがどっさりだったという・・・。強盗のほうもまさか警察署長の車とは知らずにやっちゃったというから、なんかどっちもどっちで本当に間抜け過ぎる・・・。そして、警察署長はこの間抜けな強盗をもちろんひっ捕らえ、テメー俺にこんなことしてただですむと署内の地下の取調室にぶちこんでリンチ。
「弁護士を呼んでくれ、弁護士を呼ぶ権利がある、と何度も言ったが、耳をつかんで床を引きずり回されて暴行され、致死量のヘロインを打って殺してやると言われました。」(間抜けな車強盗の証言)
「古き良き時代を思い出すぜ、と暴行を自慢げに語っていました。」(署内のほかの警察官の証言)
 まあさすがに殺すまではしなかったということで、そこはよかったんだけど、警察署長は連続殺人の捜査を指揮しながらこれを隠蔽するのにお忙しかったようで・・・。いろいろと隠したいことがほかにもあったらしく、頑なにFBI の捜査協力を遠ざけていたとのこと。まあ、結局、車強盗も署長も両方仲良くムショ入りしてます。
 こんなのがトップだったということで、当時の捜査には今も多くの疑問の声が上がっていて、「警察署長犯人説」も囁かれていたほど。ロバート・コルカーの本の中で、遺族の方々も「警察がセッ〇ス・ワーカーを軽く見ていたから事件を防げず、捜査もちゃんとなされなかった」と悔しがっている。
 今回の逮捕って、実は全然快挙じゃなくて、実は10年経ってからやっとやるべきことが行われたというだけで、日本の警察だったら6か月くらいで全部終わらせそうな感じもしてきました・・・。

まとめ

 ということで、まとめると、アメリカの警察は本気出すとすごいけど、はずれにあたっちゃうと地獄、ってことでしょうかね。
 警察の記者会見で、捜査本部のリーダーたちが何人も遺族へのお悔やみと自分のチームへのねぎらいを次々と述べている中、一人だけ短く、
「まだ全く終わっていません。逮捕の報道を見て、何か警察に提供できる情報があると気付いた方はxxx-xxx-xxxxまでお願いします。」
と淡々と情報提供の電話番号だけ言って終わった人がいた。そう、まだ終わっていないんだよね・・・。身元不明の死体も含めて、同じ容疑者による犯行なのか、すべてをはっきりさせないと! これに関しては同一人物による犯行であるという意見と、あまりに死体の遺棄の方法が違い過ぎて同一人物とは思えないという意見にまっぷたつに割れている。もし後者だったら、レックス・ヒューアーマンみたいな鬼畜がほかにもいて、今も市民に紛れて普通に生活しているということで・・・ヒィー!!!
 ニューヨークの警察の方々!! 本気出してくれ!! 頼むよ!!!