WRITE, DREAM, LIVE

アメリカ在住の日本人がいろいろ書き散らす

それは、違うでしょ

 私の子供のうち一人(Jとします)は、自閉症です。

 すでに年齢は二桁になりましたが、言葉はほとんど話せず、知能の発達は1歳半くらいの時から止まっているかのよう。つまり、かなり重度の方に入る自閉症です。

  ただでさえ生きていくのが大変なJ。このパンデミックの中にあっては理解不能なことだらけ。なんせ心は1歳半なわけだから、ウィルスだのマスクだの感染だの、そういう概念を理解できない。

  私はもう、「教えたってどうせわからない」と諦めてしまってい る。しかし、今日、学校から持ち帰ってきたプリントでいきなり以下が目に入った。

 

「Many people want a COVID-19 soon」

 

 たくさんの人がCOVID-19をすぐに欲しがったら大変でしょー!

 びっくりして二度見した。どうやら、ばらばらになった単語の紙を並べて文章を作る構文練習らしい。よく見ると、上記文章の最後に「vaccine」という単語が。

 

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  これは、

 「Many people want a COVID-19 vaccine soon」

 にしたかったのね・・・。「vaccine」の位置が・・・。英語って難しい・・・。ほかにも、

「vaccine(ワクチン)」

「desease(病気)」

「COVID-19(もう”コロナ”ってあんまり言わなくなってきましたね)」「scientst(科学者)」

という言葉の意味とイメージを関連付ける学習を試みた形跡が。

 

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  しかし、これの最初の二つはいいとしてその後が、

 「COVID-19」=「科学の専門知識がある人」

「科学者」=「コロナウィルスで起こる病気」

になっているぞ、違う! COVID-19に科学の専門知識があるなんて怖いし、科学者さんたち頑張ってるんだから病気にしちゃダメ。

 多分、介助の先生がそばについていてJは画像を糊で貼ってるだけだと思うんだけど。先生も疲れているのか。

 

 本人はほぼまったく理解していないんだろうな。でも、それでも、学校側は一生懸命教えようとしている。こうやって教えていれば、なにかしらJの中に残るものがあるかもしれない、という前向きな希望を持ってやって下さっているんだろうか。本当に頭が下がります。

 

 昨日は、「Jが先生に噛みついた」という初の他害行動の報告を受けて私も落ち込んでいたけれど、今日は上記のような勉強に一生懸命取り組んで今まででベストな日だったと報告を受けた。

 

 Jは、英語よりもCOVIDよりも難しい。