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アメリカ在住の日本人がいろいろ書き散らす

【Wholesome】やはり海外でも拡散された! 「メダル無しでもあなたは最高」メッセージの男性

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画像は本文とはあまり関係の無い、オリンピック記念バージョンのオレオ

 日本では既にSNSだけではなく、メディアでも騒がれているようですが、下記記事の男性、昨日くらいから海外メディアでも記事にされるようになってきたようです。

www3.nhk.or.jp

 Timeout誌が、英文記事をTwitterでリンクした8月6日あたりから、あらためて拡散の波がどどーんと盛り上がり、オリンピックのトピックでトレンディング入りしている。さすがTwitter。確かに誰かに教えたくなるいい話だもんね。

 でも、私が読んだ上記男性の記事を取り上げた他メディアでは、
「最初、Reddit(英語の巨大掲示板)でバズって有名になった」とあり、チェックしてみたら確かにRedditでスレッドが立ったのは10日前。早っ! やるな、Reddit。もう日本では掲示板文化は廃れたと思っていたけれど、海外ではまだまだ使われているのね。

www.reddit.com

 でもほんとみんな、こんだけいろいろ、SNSやら掲示板サービスやらあってどうやって使い分けてるの?

 それは置いといて、この男性一人でだいぶオリンピックに関する日本のネガティブな拡散を払拭してくれていて、本当に感謝感謝。某O氏のスキャンダルの時と違って、皆さんをハッピーにしている。

 NHKの日本語記事ではメッセージボードを掲げた男性の想いを割と詳しく紹介しているけれど、英文記事では、男性が匿名でいるのを望んでいること、当初は選手を歓迎するメッセージだったけど大会期間中にメダル獲得にこだわる風潮に疑問を感じてメッセージを現在のものに変えたことなどがさらっと書かれているだけ。

 SNSやRedditの皆さんの反応が面白くて・・・まあ、だいたいが絶賛の嵐、「Sweet(素敵だね~いいね~みたいな感じ)」「この男性にメダルを!」みたいなのばかりですが・・・

・「ちゃんとマスクをしてる!」
「しかも鼻までマスクを上げてる」
「この人、外にいるし、周りに誰もいないよね? 私、なんか見落としてる?」(※アメリカではマスク着用推奨は屋内のみ、あるいは人がひしめきあってる屋外のみ)

・「この人、私の家の外に毎日立ってくれるってことはない?」

。「日本の文化が大好き!」
「いやこれ日本の文化じゃないでしょ」
「外から見てるから真の彼らの文化を知らないんだね。同性愛嫌悪と外国人嫌悪の問題とか」
「日本の文化が大好き? 日本の労働環境のこと知ってる? とはいえ、愛すべきところもたくさんある」

・「カメラをパンしたら、オリンピックに抗議してる人もいっぱい映ると思うよ」

・「最初、”選手たち(Athletes)おはよう” じゃなくて、”無神論者たち(Athiests)おはよう” に見えた」(←これ同じことを書いてる人が結構多かった、日本は無神論者多いから???)

 
 絶賛の嵐の中から、ちょっと変わってるのだけピックアップしました。私が、今回の話題でひとつ学んだのは、こういう時に使う「Wholesome」という単語です。

”That's wholesome”
”Wholesome story”
”Japanese are wholesome”

 こーんなコメントばかりなんですよ。ただ一言 ”Wholesome" と書いてる人も多かった。ホールサムホールサムってまたかい、と思って辞書で調べたけど、「健全な、健康に良い、有益な」としか出て来ない。でも、絶対その意味じゃなくて、どうやらこれは「無私の心だね、やさしいね、思いやりがあるね」みたいな意味で、まさに今回みたいなケースで「wholesomeだね」と使われているようなのです。ネットスラングではなく、日常会話でも使われるみたい。最近普及してきた新しい使い方かな。今回の一件に対する皆さんのコメントで頻出してました。

 よかった~これで私も、「あなたってWholesomeね」って言われた時きょとんとしなくて済む~・・・って一生言われることないか・・・。

 それにしても、昨日かおとといくらいにNYタイムズでこんな記事を見かけましたよ。銀メダルや銅メダルをとったのに泣いて謝罪する日本人選手の特集記事。

世界で二位でも謝罪 東京オリンピックで銀メダルでも謝罪する日本人選手たち
Second Best in the World at the Tokyo Olympics, but Still Saying Sorry - The New York Times

 日本の「謝罪文化」と絡めた記事でした。周囲への深い感謝がそうさせているのだ、みたいな好意的な記事ではあったけれど。外から見ると、かなり不思議みたい。
 確かに、アメリカの選手は、どんなに期待はずれな成績でも謝らないな。「残念だった」「今日はついてなかった(It wasn't my day)」とか言うけど、なんか笑顔だったり毅然としていたり。

 円谷幸吉さんの悲劇も紹介されていましたし・・・

傷ついたメダリストへのエレジー
Japanese Marathoner Was a Hero and a Cautionary Tale - The New York Times

 「メダル無くてもあなたは最高」のメッセージ、英語で海外選手に向けて発信しているようですが、もしかしてこれが一番必要なのは日本人選手だったかも?