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アメリカ在住の日本人がいろいろ書き散らす

みんなGoogleの奴隷! 同じような文章に同じような構成・・・もう飽きた

アメリカの美しい秋空
アメリカの美しい秋空 画像は本文とまったく関係ありません(こういうのがGoogleさんに嫌われる)

 突然ですが、少し前に私は「Webライター」なる仕事を始めました。アメリカでかれこれ半年以上仕事を探していて、あまりにも箸にも棒にもかからない状態だったからです。

 家から出て、働きたい。

 たったこれだけのことが、アメリカで「移民」の私にはとてつもなく難しい。いや、ただ「移民」というだけではなく、ことを一番複雑にしているのは私の家庭環境です。

「小学生~中学生の子供たちの学業、課外活動、そしてフルタイムでアメリカで会社員している夫の仕事に支障が出ない範囲でできるパートタイムの仕事がしたいです。重度の自閉症児に何かあったら・・・まあ結構しょっちゅう何かあるんですけど、すぐ迎えに行かなくちゃいけないから、その時は仕事抜けますね! それと週に3回は日中にその子をセラピーの施設に送迎するために必ず仕事を抜けたいです。そして夏の間は学校が無いから、その子の面倒を見るために家にいないといけなくて3か月働けません。あ、あと毎週土曜日も子供たちが日本語補習校に行くので、終日働けません。」

 こんな状態で、しかも「ワタシ エイゴ ベンキョウシテマス! スグ シャベレルヨウニナルヨー!」レベルの人を採用してくれる仕事がどこにある? いくら私が、永遠の25歳で頭脳明晰で素晴らしい人格の持ち主だとしても、この条件に当てはまる仕事がまず無い。美貌と才能の持ち腐れなんですよね~ああ~もったいない。(すいません、ストレス溜まってるんで勝手に言わしといてください)

 こういう人は私の周りにはたくさんいる。私が鼻クソに見えるくらい、頭も良く人格も備わっていてこの人仕事したらすごく仕事ができるだろうな、という人が家庭にこもって家族のサポートのために生きている。これもまた誰かがしなくちゃいけない無償の仕事なんだけど、ほんと、世の中はどうにもできないことがたくさんありますね。

 しかし、そんな私に救いの手が差し伸べられた!!
 上記のような融通の利かない勤務時間でも採用してもいいという職場があったのです。面接してもらっただけでも嬉しかったのに、とんとん拍子に話が進んで、これはもういけるな、あとはペーパーワークだけ、という進展があったんですよ!!

 ・・・と思ったら、誕生日の日にメール一通で「他に良い候補者が見つかりました。お時間とお手数ありがとうございました」という既に過去に何度も受け取っている類のコピペ定型メールが・・・。

 もう打ちのめされて、しばらくは立ち直れず。

 その衝撃で、もう私は「外で働く」は諦めて、クラウドソーシングのサイトで仕事を探し始めたわけです。本当にお金にならない、自給100円くらいだ、というのは聞いていたけれど、そういう仕事しかできないんですもの。

 ふと立ち寄った某ブログの著者さんのプロフィールが「Webライター」で、失礼だけど、「この程度で!? ライター!?」というレベルだったので、私も「Webライター」なるものに挑戦してもよかろうと思ってやってみたんですけど・・・。

 なんか・・・聞きしに勝る虚しい仕事ですね・・・あれはあれで・・・。

「Webライター=Googleに媚を売るお仕事」

じゃないですかーーーーーー!!!

 いや、Webライターだけではない。ネット上に溢れる文章と言う文章のすべてがGoogleさんにこびへつらって、Googleさんの奴隷になっている!! 以前から、なんでこんな同じようなフォーマットのブログやウェブサイトが多いんだろう?と思っていたけれど、ほんっとみんな・・・

Googleに好かれたいんですね!!!!!!

原稿用紙3-4枚の内容なのに、ながーい目次。

前置きの文章で不自然に繰り返されるタイトルとキーワード(「最近、すべてのブログがGoogleの奴隷だと言われ始めています。本当に、ブログやウェブサイトはGoogleの奴隷になってしまったんでしょうか? 今回は、どれくらいのブログがGoogleの奴隷になっているかを調べました。-目次ー・・・」)

5-10おきに見出し。(「ブログがGoogleの奴隷である理由その1」「ブログがGoogleの奴隷である理由その2」「ブログがGoogleの奴隷である理由その3」・・・以下省略)

なぜか突然文中に登場するキャラと吹き出し。(「やっぱりGoogleの奴隷になるのは仕方ないよね」「うーん、なんとかならないのかな?」)

まとめで「いかがでしたか?」

もう・・・もう・・・飽きたーーーーー!!!!!

 そんな感じのいわゆるSEO対策がなされている文章って、そんなにいいですかね? 読みやすいですかね? 新聞の文章だってそんなに頻繁に見出し入れないでしょ。そんなに目次は付けないでしょ。書籍レベルの分量の文章のまとまりなら、目次欲しいですけど。

 だいたい「良いブログは誰かの悩みを解決するブログ」みたいに言うけれど、まあそれは真実なんだけど、「読んでいてただただ楽しい」とか、「悩みは解決しないけれど知的好奇心が満たされたよ、なるほど~」みたいなブログだってすごく人を助けているでしょ? 

 なにをもってGoogleさんは、定型フォーマットに従って、ハウ・ツー系の情報ばっかりを書いた記事を「優良」と決めたわけ? そのおかげで誰もかれもそういう書き方しかしなくなっちゃったじゃないかー!! Googleさんにはいつも助けてもらっているし、深く感謝しているんですけどね。Googleさんの責任は重大ですよ? 文章の文化を変えましたね? わけわからん方向に。

 私は、上記の法則に従っていない、Googleなんてどうでもいいよという文章が読みたいです。でも、そういう文章をほかでもないGoogleで探しているというこの矛盾!! バカなのか?私は。

 でも、私が何年も読み続けているサイトって、多分Googleで検索しても上がってこないと思います。Google様の奴隷になっていないから。結局、そういう文章って読まれない。読まれないと存在の意義が無くなってしまう。結局、文章を書いて誰かに読んでもらいたい人は、Google様の奴隷になって靴舐めるしかないというこの切ない現実よ・・・。

 私、Webライターの仕事をいくつかやって、もう少しGoogleの靴舐めなくていい仕事に挑戦できないかな、と思って探したんですよ。別にネットに載らないような、依頼主さんにだけ提出する「調査とリポート」みたいな文章でもいいし、わかりやすく英語圏の情報を調べてまとめて文章にする仕事とかないかなと思って。

 そうしたらあるにはあったし、定期的にそういう案件も目にするんですけど、募集要項がこんな感じなんです・・・。

「ご自身のブログやウェブサイトのリンクをお知らせください。また、サイトの紹介、PVを必ず書いて下さい。

 つまり、どれだけGoogleさんのご機嫌がとれる人かが知りたいんですね? そこが足切りポイントなわけですね? 

 自分のブログのPV・・・? そんなもの書けない。ほとんど無いから・・・。

 一瞬「10万PV達成」とか嘘を書いてもバレないんじゃないかという邪念がよぎったけれど、虚しいのでやめました。

 でも、かなり心に迷いが出てしまいました。

 これまで2年とちょっとブログというものを書いてきて、私は、SEO対策とか全然真剣に考えたことありませんでした。なぜなら、私、一切、広告を入れていないからです。このブログじゃなくて、もう一つの本や読書に関するブログでも。アマゾンのリンクをよく貼っているけれど、アフィリエイトもやっていません。純粋に、記事内の本の情報を読んで下さった方がもっと知りたいと思った時のために、アマゾンを観に行ってほしいと思ってリンクしているだけ。

 広告費で稼ごうとか思っていないから、「SEO対策してたくさんの人に読みに来てもらって、うっかり広告をクリックしてもらわなくちゃいけない」という発想に至らなかったというか。いや、逆かもしれない。こんなに知られていないブログに広告入れても意味が無い、と思って広告を入れなかったとも言えます。

 でも、そうやって、

「私はブログで稼ごうとか思ってないし~好きなこと書き散らしたいだけ~」

という姿勢を続けたせいで、時間を注いだ割にはなんの実績にもならず、仕事のチャンスをつかむ糧にもならない文章が積み重なってしまった。もっとGoogle様に従順にお仕えしていれば、もっと好きな文章を書いてお金をもらうチャンスもあったのかもしれない。

 これからも、あまりGoogle様に完全降伏することは無いと思うのですが、もうちょっと「きちんとした」サイトを作ったほうがいいのかなと、考えさせられました。

 なんのために書くのか。本当にわからなくなりますね。

いかがでしたか?